辻村深月「朝が来る」を読んで。

1. 書籍について

『朝が来る』は、辻村深月によって書かれた作品です。この本を選んだ理由は、特別養子縁組というテーマに興味を持ち、著者の作品の中でも特に注目されていたためです。期待しているのは、複雑な家族関係や人間の葛藤など、深みのある物語を楽しむことです。

2. 主題やテーマ

『朝が来る』の中心的なテーマは、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦と、自らの子供を手放さざるを得なかった母親の物語です。著者は、特に不妊治療や子供を養子に出すというテーマに深く関心を持っており、それを通じて家族や親子関係の困難さや喜びを描いています。私自身も、子供のいない夫婦や養子縁組についての物語に興味を持っていたため、この本に惹かれました。

3. 感想の詳細

『朝が来る』は、特に印象的な内容が多く、著者の描写力に深く感銘を受けました。物語の冒頭では、夫婦が特別養子縁組で男の子を授かり、幸せな日々を過ごしていました。しかし、突然現れた生みの母が子供を返してほしいと言い出したことから、物語は転機を迎えます。

ひかりの物語を通じて、中学生での妊娠や家族の軋轢、社会的な困難など、リアルな苦悩や葛藤が描かれます。ひかりはまだ幼さを残した子供ですが、彼女の心情の揺れ動きや、苦悩を通じて成熟していく様子が非常にリアルに描かれています。私は彼女の境遇や感情の変化に強く共感し、彼女の心の中で起こる葛藤を思い起こさせられました。

特に印象に残ったのは、ひかりの視点から物語が進行する第三章です。彼女が子供を手放さざるを得なかった経緯や現在の苦境が詳細に描かれており、彼女の苦しみや優越感と劣等感が綯い交ぜになった複雑な感情が鮮明に描かれています。彼女の行動や考え方について、同時に共感も否応なく湧いてきました。

4. 考察や疑問

本書を読みながら湧いた疑問や考察がいくつかあります。一つは、特別養子縁組に対する社会的な認識や理解がどのように変わっていったのかという点です。特に養子を出した母親のひかりは、苦しんでいるにも関わらず再度自分の子供を返してほしいと言ってきました。彼女の視点や思考回路について、なぜそうなってしまったのか深く考えさせられました。

また、物語のラストでは、朝斗を育てる親子とひかりが再会し、朝斗を連れて行く場面が描かれていますが、その後の彼らの関係やひかりの将来について、私はどうなったのか気になります。彼らの物語が終わるわけではなく、これからも彼らの人生や家族の関係がどう変わっていくのかについて、考えさせられました。

5. 結論

『朝が来る』は、複雑な家族関係や人間の葛藤を描いた感動的な物語でした。特に、主人公のひかりの苦悩や成長をリアルに描いた描写に深く感動しました。この本を読むことで、特別養子縁組や不妊治療などのテーマについて考えさせられ、家族や親子の関係について深く考察する機会を得ました。

『朝が来る』は、特に養子縁組を考えている方や家族の問題について興味のある方におすすめしたい一冊です。作者の描写力や物語性も非常に高く、読み終わった後には自分自身の人生や家族について改めて考えるきっかけとなりました。


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